コラム 消費税還付が受けられない

不動産投資ではご存知の通り、不動産の取得時、保有中、売却時にそれぞれ税金がかかってきます。これはかなりの負担になります。この税金負担を少しでも軽減するための方法を齊藤税理士の聞いてみました。

【目 次】
第1回 節税効果が高い物件とは
・申告に有利な物件とは?
・建物比率の高い物件とは?
・節税効果の高い物件とは?
・節税を最大限に活かせる物件とは?
・不動産投資に係る税金
・不動産取得税とは?

第2回 物件を増やした時の申告の問題
・白色申告と青色申告の違い
・所得税について
・税理士との顧問契約について

第3回 法人化するべきか?個人のままか?
・法人化のタイミング
・法人化のメリット
・個人と法人の違い
・法人化の留意点

コラム 消費税の還付が受けられない


コラム 消費税還付が受けられない

建物を買った時には消費税を払います。

この消費税は物件を買った個人ないし法人が、消費税の申告をするときに預かった消費税(仮受け消費税)から払った消費税(仮払い消費税)を差し引いて納付します。

払った消費税が預かった消費税よりも多ければ還付されます。

これが基本的な消費税の計算構造です。

しかし、不動産投資の場合、基本的に還付が受けられません。

投資対象の物件は基本的に居住用の物件です。

居住用の場合、住居を借りる人は消費税を払いません。

そのため預かった消費税が0になってしまうのです。

少し細かい話になりますが、売上には課税売上と非課税売上という2つの概念があります。

例えば商品を仕入れて売る会社の場合、100円で仕入れた商品に消費税を含めて108円を払います。

その商品を200円で売る場合は216円で売ります。この取引は課税売上に該当します。

その一方で消費税を課さなくてもいい種類の取引があり、その売上げを非課税売上といいます。

住宅の家賃がこれに当たります。

この2つの売上が両方ある時には、預かった消費税から払った消費税に課税売上割合を乗じた額を引き算して申告する消費税を計算します。

課税売上割合とは、全体の収入のうち課税売上が占める割合を指します。

課税売上割合は、(課税売上+非課税売上)分の課税売上で計算します。

非課税売上の割合が高くなると、還付の額が減っていく事になります。

例えば、先ほどの例で課税売上の割合が50%だった場合、16円から引ける仮払い消費税額は8円のうちの50%相当額(4円)になってしまうのです。

住宅の賃貸の場合には、ほとんど非課税売上になります。

それ以外の収入がない場合は、仮受け消費税が0になってしまうのです。

消費税の還付を受けるために家賃収入が始まるまでの期間、自動販売機を置き、自動販売機の収入を申告する事で還付を受ける方法もありましたが、今は課税売上割合が大幅に変動する、利用目的が大幅に変動する時には、還付された税金を返さなければならなくなりました。

課税売上割合を増やすために、金の売買を行なう人もいます。

金の売買は課税売上げです。

金の売買を何回も行う事で、課税売上げを創出するのです。

税務上の計算では基本的には問題なさそうですが、課税売上の創出目的で行っていると税務署から注意を受ける可能性があると思います。

不動産投資と合わせてできる事業を提案できることが一番良いと思います。

 


齊藤 健一(さいとう けんいち)税理士
税理士法人サンク・アンド・アソシエイツ 代表社員
株式会社サンク・アンド・アソシエイツ  代表取締役

【経歴】
1997年
千葉哲範公認会計士・税理士事務所(現アクタス税理士法人)
国内系企業、公益法人及び外資系企業への税務サービス、VC、投資事業組合へのアドバイス並びにベンチャー企業への株式公開コンサルティングに従事
2003年
税理士法人プライスウォーターハウスクーパーズ
法人・個人の税務申告の他、株価・事業価値等の算定業務、組織編成、M&A・事業再生等に係る財務内容調査及びオーナー系企業及び個人富裕層に関連する投資スキーム、事業承継・相続対策に従事
2007年
サンク・アンド・アソシエイツ設立
上場企業、投資事業組合の決算サポート、グループ事業再編・M&A等に係る財務内容調査(デューデリジェンス)並びに東っスキーム策定等のアドバイザリー業務、株価・事業価値等の算定業務に従事するとともにオーナ系企業及び個人富裕層に関連する投資スキーム、事業承継・相続対策に従事