税理士の先生に聞く 不動産投資での節税のポイント【3】
法人化すべきか?個人のままか?

不動産投資ではご存知の通り、不動産の取得時、保有中、売却時にそれぞれ税金がかかってきます。これはかなりの負担になります。この税金負担を少しでも軽減するための方法を齊藤税理士の聞いてみました。

【目 次】
第1回 節税効果が高い物件とは
・申告に有利な物件とは?
・建物比率の高い物件とは?
・節税効果の高い物件とは?
・節税を最大限に活かせる物件とは?
・不動産投資に係る税金
・不動産取得税とは?

第2回 物件を増やした時の申告の問題
・白色申告と青色申告の違い
・所得税について
・税理士との顧問契約について

第3回 法人化するべきか?個人のままか?
・法人化のタイミング
・法人化のメリット
・個人と法人の違い
・法人化の留意点

コラム 消費税の還付が受けられない


第3回 法人化するべきか?個人のままか?

・法人化のタイミング
Q.  青色申告特別控除の65万円の控除を受けるよりも法人化した方がいいタイミングはありますか。

A.  所得税は最大50%であるという話をしましたが、法人税は実効税率が36%です。

つまり、税率が36%以下であれば個人のまま、それを超えたら法人化した方が良いという事になります。

・法人化のメリット
Q.  法人化した時のメリットはどのようなことがありますか?

A.  法人化した場合、その方が持つのは物件ではなく会社の株式です。

個人が直接不動産を持っているよりも、株式を持っていた方が評価額が下がるケースがあり、相続が生じた場合に有利です。

会社の場合、その会社の純資産の評価します。

株式を持っている会社が、帳簿価額100の不動産を持っているとします。

不動産の評価額が200に上がった場合、会社の純資産評価は200で評価されます。

この場合、帳簿価額の100と評価額の200との差の含み益100に対して、税金相当額をマイナスできます。

含み益の100に対して法人税の税効果が40%あるので、その会社の純資産は40を引いた160という評価になります。

株式の評価も160になります。

個人で直接不動産を持っていたら、評価額が200のままなので法人化した場合のメリットになります。

デメリットは、会社にすると税務調査が定期的に来ることです。

また、地方税の法人住民税の均等割りがあり、利益が出ていても、出ていなくても負担しなくてはならなりません。

東京では7万円です。法人を持っていたら誰でもかかります。

地方税に関しては、法人にするときの税率差に含めて考えるべきだと思います。

・個人と法人の違い
Q.  個人と法人での違いはありますか。

A.  従業員にした家族の給与支払いの自由度に差があります。法人の方が自由度が高いのです。

個人の場合も専従者給与で認められるのですが、前もって登録が必要なため柔軟な運用ができません。

ビルの家賃収入を得るための法人を家族経営されている場合、家族が役員になっている所がよくあります。

家族経営の会社では、家族が取締役になっています。

取締役の給料を改訂できるタイミングは年に1回しかありません。

そのため、突然ボーナス払いたいと思っても払えません。

・法人化の留意点
Q.  法人化する際に気を付けることはありますか。

A.  個人で持っていた不動産を法人所有にする際に、物件を法人に売らなければなりません。

そこで不動産取得税の4%がかかります。

将来法人化を念頭に入れてる場合は、ある程度物件がたまってから法人化するよりも、最初から法人化して法人として物件を取得する方が有利です。

不動産に限らず、一般的には収益が年間1,000万円以上になったら、個人よりも法人化した方がよいと言われています。

それ位の目線で、投資を行なっていく事を考えているのであれば、早いタイミングで法人化した方が良いと思います。

個人で不動産投資を行なっていたとしても、管理会社を作り、法人として融資を受けられるようになったら、その後は法人で買った方が良く、最初の組立てが一番大切であるという事ですね。

また、最初から税理士の先生に相談しながら進めていかないと、後々損をする可能性が非常に高いので、どのタイミングで法人化するかではなくて、最初から法人化するという事ですね。

今日はどうもありがとうございました。


齊藤 健一(さいとう けんいち)税理士
税理士法人サンク・アンド・アソシエイツ 代表社員
株式会社サンク・アンド・アソシエイツ  代表取締役

【経歴】
1997年
千葉哲範公認会計士・税理士事務所(現アクタス税理士法人)
国内系企業、公益法人及び外資系企業への税務サービス、VC、投資事業組合へのアドバイス並びにベンチャー企業への株式公開コンサルティングに従事
2003年
税理士法人プライスウォーターハウスクーパーズ
法人・個人の税務申告の他、株価・事業価値等の算定業務、組織編成、M&A・事業再生等に係る財務内容調査及びオーナー系企業及び個人富裕層に関連する投資スキーム、事業承継・相続対策に従事
2007年
サンク・アンド・アソシエイツ設立
上場企業、投資事業組合の決算サポート、グループ事業再編・M&A等に係る財務内容調査(デューデリジェンス)並びに東っスキーム策定等のアドバイザリー業務、株価・事業価値等の算定業務に従事するとともにオーナ系企業及び個人富裕層に関連する投資スキーム、事業承継・相続対策に従事