税理士の先生に聞く 不動産投資での節税のポイント【2】
物件を増やした時の申告の問題

不動産投資ではご存知の通り、不動産の取得時、保有中、売却時にそれぞれ税金がかかってきます。これはかなりの負担になります。この税金負担を少しでも軽減するための方法を齊藤税理士の聞いてみました。

【目 次】
第1回 節税効果が高い物件とは
・申告に有利な物件とは?
・建物比率の高い物件とは?
・節税効果の高い物件とは?
・節税を最大限に活かせる物件とは?
・不動産投資に係る税金
・不動産取得税とは?

第2回 物件を増やした時の申告の問題
・白色申告と青色申告の違い
・所得税について
・税理士との顧問契約について

第3回 法人化するべきか?個人のままか?
・法人化のタイミング
・法人化のメリット
・個人と法人の違い
・法人化の留意点

コラム 消費税の還付が受けられない


第2回 物件を増やした時の申告の問題

・白色申告と青色申告
Q.  白色申告と青色申告それぞれのメリット、デメリットを教えて下さい。

A.  白色申告のメリットは申告が楽な事です。

デメリットは税務所が更正する場合に説明をする責任がない事です。

白色申告は推定課税を取っていて、税務署側が計算した税額で一方的に納税させる事ができます。

青色申告は、青色事業者としてまじめに帳簿をつけますと自ら宣言をします。

一方、税務署側も税務調査に際して説明をする義務があります。これが白色と青色の違いの一つです。

青色のメリットは、青色申告特別控除があります。

青色申告の適用を受けていることによって無条件に収入から控除できる額が10万円のパターンと65万円のパターンがあります。

65万円の控除を受ける場合、会社並みに複式簿記で帳簿を作成し、貸借対照表も添付することが要件です。

利益から65万円を引ける事は大きなメリットです。

又、生じた赤字を3年間繰り越せますし、その他に特別償却等の税制上の特典もあります。

不動産投資の場合、65万円の控除を受けるためには、ある程度の規模が必要です。

その基準は物件を5棟か10室持っていることと言われています。

それ未満の場合は10万円までしか控除されません。

つまり、マンションの部屋を別々の場所に10室(10区分)持っているか、一棟モノを5個持っているかです。

一棟という場合、2部屋しかない建物でも一棟と数えます。

この基準は、主たる収入が別にあって、副業として不動産収入がある場合に65万円を控除させないために存在します。

・所得税について
Q.  不動産所得の所得税の税率は何%ですか。

A.  所得税は、不動産所得だけの計算をしません。

所得税は総合課税所得と呼ばれていて、給与や配当、年金などを合算して計算します。

合算した所得(収益)に対する所得税の税率は最大50%です。

・税理士との顧問契約について
Q.  税理士と顧問契約をする基準はなんですか。

A.  一概には言えません。

マンションの一部屋をサラリーマンが持っている程度であれば、必要ないと思います。

しかし、これから物件を増やしていきたいと考えている方は、書類の作成や節税対策に関するアドバイスを受けたいのなら早いうちから税理士に相談した方がよいと思います。

齊藤 健一(さいとう けんいち)税理士
税理士法人サンク・アンド・アソシエイツ 代表社員
株式会社サンク・アンド・アソシエイツ  代表取締役

【経歴】
1997年
千葉哲範公認会計士・税理士事務所(現アクタス税理士法人)
国内系企業、公益法人及び外資系企業への税務サービス、VC、投資事業組合へのアドバイス並びにベンチャー企業への株式公開コンサルティングに従事
2003年
税理士法人プライスウォーターハウスクーパーズ
法人・個人の税務申告の他、株価・事業価値等の算定業務、組織編成、M&A・事業再生等に係る財務内容調査及びオーナー系企業及び個人富裕層に関連する投資スキーム、事業承継・相続対策に従事
2007年
サンク・アンド・アソシエイツ設立
上場企業、投資事業組合の決算サポート、グループ事業再編・M&A等に係る財務内容調査(デューデリジェンス)並びに東っスキーム策定等のアドバイザリー業務、株価・事業価値等の算定業務に従事するとともにオーナ系企業及び個人富裕層に関連する投資スキーム、事業承継・相続対策に従事