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競売における滞納管理費の元所有者への求償2011.11.27
競売によるマンションの買受人から、元所有者に対する滞納管理費の請求が認められた平成17年3月30日の東京高裁判決です。
<要旨>
落札者Xは平成16年1月にY所有のマンションを競売により買い受け、その所有権を取得したところ元所有者Yは管理組合に対し、管理費・修繕積立金及び組合費を滞納していた。落札者Xは滞納分219万円を平成16年5月に管理組合からの請求により代位弁済したと主張して元所有者Yに求償金の支払いを求めて提訴した。
本件競売手続きでは、現況調査報告書及び評価書には、平成15年6月現在の元所有者Yの管理費等の滞納207万円がある旨記載され、物件明細書には管理費等の滞納分がある旨記載されていた。評価書は、上記時点の滞納分に見合う21%の減額(211万円)をし、これに基づき最低売却価格は795万円とされた。落札者Xは競売に参加し1,054万円で落札し本件マンションの所有権を取得した。
元所有者Yは、本件競売物件の物件明細書等に明示されており、競売の最低売却価格からも既に滞納分が控除されているから、滞納分は落札者Xが負担すべきであるなどと主張し争った。一審地方裁判所は落札者Xの請求を全部認容したので元所有者Yが控訴した。
<判決の要旨>
①元所有者Yは、本件マンションの所有権がXに移転するまでの本件管理費について支払義務を負っている。
②建物の区分所有等に関する法律8条によれば、落札者Xは滞納部分について元所有者Yの特定承継人として支払義務を負っている事は明らかである。
これは、集合建物を円滑に維持管理するため、特定承継人に対して重畳的な債務引受人としての義務を法定したものであり、債務者たる当該区分所有者の債務とその承継人の債務とは不真正連帯債務の関係にあるものと解されるから、民法442条(連帯債務者間の求償権)は適用されないが、区分所有法8条の趣旨に照らせば、当該区分所有者と競売による特定承継人相互間の負担関係については、特定承継人の責任は当該区分所有者に比して二次的、補完的なものに過ぎないから、当該区分所有者がこれを全て負担すべきものであり、特定承継人には負担部分はないものと解するのが相当である。したがって、落札者Xは滞納分につき、弁済に係る全額を元所有者Yに対して求償できることとなる。
本判決では、物件明細書等の記載については『競売物件の概要等を入札希望者に知らせて、買受人に不測の損害を被らせないように配慮したものに過ぎないから、上記記載を根拠として管理費の滞納分については当然買受人たる落札者Xに支払義務があるものとすることはできない』と判示している。
管理費の滞納があるマンション所有者はこの様なリスクを回避するために競売ではなく任意売却での解決を強くお薦め致します。





